『サピエンス全史上巻』の感想文 NO.5

『サピエンス全史上巻』第二部 農業革命 第五章 農耕がもたらした繁栄と悲劇

 タイトルから推察してもわかるように、著者は、農業革命をもろ手を挙げて喜んでいいるわけではない。P107 農業革命は誰の責任?と自問自答で導いた答えは、

 王のせいでもなければ、聖職者や商人のせいでもない。犯人は小麦、稲、ジャガイモなどの一握りの植物種だった。ホモ・サピエンスが、それらを栽培化したのではない。逆にホモ・サピエンスが、それらに家畜化されたのだ。

 この件を読んで驚いたのは、私ひとりだけでは、ないだろう。読み進めていく内に、こうした視点を持つ、この著者は何者か?これはまるで神がこの世をみているかのようだと、そんな事を考えた。もし、このブログを見ている人がいると仮定して考えると、やはり、この本を手にとって読んでほしい。遺伝子の情報から作られた生物、つまり遺伝子の二重螺旋の複製のひとつの種にすぎない私達である。そう考えると、圧倒的に多い種、それは、小麦、稲、ジャガイモなどの一握りの植物種ということになる。ホモ・サピエンスとは一体何者かと、深い思索に導く言葉である。