『サピエンス全史上巻』の感想文 NO.2

『サピエンス全史』を読み始めて、ひとつひとつの言葉の定義を慎重に考えていく必要性を身に染みて感じさせられた。第一部の認知革命では、

物理学:135億年前「ビッグバン」により、物質、エネルギー、時間、空間が誕生

(中略)私たちの宇宙の根本を成すこれらの要素の物語

まず物理学とは何かと著者自身の考えを述べている。

Chat GPTではどの様に語るだろうか?

物理学は、自然界の現象を調査し、その背後にある基本的な原理や法則を理解するための科学分野です。物理学は、物質、エネルギー、時間、空間、そしてその相互作用を研究します。物理学は、このような基本的な理解を通じて、科学技術の発展や新しい技術の開発に貢献しています。物理学は、古代ギリシャの哲学者たちから始まり、現代の量子力学相対性理論などの分野に至るまで、数千年にわたって進化してきました。

「物理学」という言葉ひとつでも、深い意味がある。そこに様々な人達の様々な認識が在るのだという事になる。ただしChat GPTを人として扱ってよいのか?という大きな問題があるのも忘れてはいけない。

Wikipediaでは、

物理学ぶつりがくphysics)は、自然物や自然現象を観測することにより、それらの仕組み、性質、法則性などを明らかにしようとする学問である[1][2]。物理学は、自然科学の一分野であり、古典的な研究分野は、物体力学電気磁性波動天体の諸現象(物理現象)である。

物理学とは何か?言葉ひとつで、どれだけの多様性を秘めているのか、想像はできない。例えば『サピエンス全史』の著者の全てを他の誰かが完全に理解できるであろうか?

『サピエンス全史』では、さらに化学、生物学にも言葉の定義を続けている。著者の思いの深さを感じた。さらに読み続けていくと、以下のような文言に出会った。

 「人間は溶融したガラスが炉から出てくるように子宮から出てくるので驚くほど自由に曲げたり延ばしたりして成形できる。だから今日、私たちは子供をキリスト教徒にも仏教徒にもできるし、資本主義者にも社会主義者にも仕立てられるし、戦争を好むようにも、平和を愛するようにも育てられる。(サピエンス全史 上巻 P23)」

上記の言葉に心震えた。世界には、様々な国、民族、社会、宗教、教育、政治があり、すべてことなっている。それを文化という言葉で包括できるかも、しれない。つまりは、世界とはすべて異なる文化があるがゆえに、戦争をとめられずにいる。また平和を願い、この世界を愛する人々もいる。